TNR+Mを知ってください
不妊手術の目印として耳をVカット一代限りの命を地域猫として生きる
子猫園日記 第4回
TNR+Mとは
野良猫の殺処分ゼロを目指し、繁殖を抑制しながら地域猫として一代限りの命を見守る活動
Trap(トラップ)=捕獲する
Neuter(ニューター)=不妊手術をする
Return(リターン)=元の場所に戻す
Management(マネジメント)=管理する
猫たちを取り巻く過酷な環境は変わることなく、小さな命が泣いている。昨年度もたくさんの幼い命が殺処分された。人の手にかからずとも死んでしまった赤ちゃんもいる。車にひかれていた。フェンスに挟まって動かなくなっていた。ガリガリに痩せて冷たくなっていた……。助けを求める命を前に躊躇する人がほとんどという、悲しい現実。
子猫には必ず親猫がいる。保護依頼の相談を受けた時に必ず確認することだ。子猫を保護しても親猫のTNRをしなければ、また同じことが繰り返される。保護主の大半は関わりたがらない。「なぜ自分がやるのか」と怒りだす人もいる。「あんたらボランティアだからやってよ」と言われたことも。自分ができないこと、やりたくないことを押しつける人間の業を幾度も見た。子猫園は家族と信頼できる少ないメンバーで運営している。みんな仕事を持っている。家族が認知症や重い病を抱えているメンバーもいるが、命を救いたい一心で走っているのだ。不条理な人の「できない理由」はもう聞き飽きた。
野良猫は野生動物ではなく、人間の勝手な都合で生み出された被害者。すべての命を救える日までは今できることとして、TNR+M活動を地域の問題として取り組んでほしい。これが最善だとは思っていない。せめて不幸な猫がこれ以上増えないように。
地域猫として、短いその一生を温かく見守る。猫が好き・嫌いではなく、人も猫も安心して住み続けられる街づくりのためにも必要な活動であり、すぐに取り組むべき課題だ。TNR+Mで行なう作業は、現場調査、聞き込み、頭数確認、病院の手配、搬送、行政への連絡、そして地域の理解促進。フル稼働している子猫園だけでは、時間も人手も費用も足りない。
- 11月富士市内D地区
14匹一斉捕獲(手術12匹保護1匹死亡1匹) - 12月富士市内O地区
20匹一斉捕獲予定(うち子猫3匹保護済)
子猫園では捕獲器の貸出をしています(管理が重要なので身分証と書類を書いてもらいます)。アドバイスやお手伝いはします。主体的に動いてください。
2月になれば不妊手術をしていない猫は発情し、春には子どもが生まれる。子猫園には40命の在園児がいる。全員、野良猫のお母さんから生まれた子だ。もうとっくにキャパオーバー。でも命を前にためらうことはできない。「親子猫だからしばらく様子を見ていた」という相談があるが、それは救いにならない。子猫は一刻も早く保護。親猫はTNR+M。乳飲み子は子猫園でお預かりして里親探しのお手伝いをします(医療育成費はご負担ください)。
愛情たっぷり育てた猫は例外なく可愛い。猫は愛を受け止め、理解し、その何倍も人間に返してくれる。最愛の家族になる。人が重ねた罪をすべて許してくれる。
赤石 朔
保護猫活動家
あかいし さく/保護猫ボランティア団体『ベルソー・デ・シャトンズ』広報担当。2008年富士市生まれで、現在(執筆当時)は富士市立富士中学校3年生。生まれた時から猫とともに暮らし、猫の幸せを願う気持ちと鋭い観察眼で、保護猫たちの体調変化を見逃さない。命をテーマとした学校講演やイベントでの啓発活動など、多方面でメッセージを届けている。
保護猫譲渡会のお知らせ
毎週日曜日に譲渡会を開催しています。
子猫のストレスや感染症対策の観点からいつも過ごしている場所でふれあっていただきます。
リラックスした猫たちに会いに来てください。猫たちの様子はInstagramにて日々更新中です。
完全予約制。個別の面会は随時受付。
子猫園ベルソー・デ・シャトンズ
富士市本市場128-1
TEL:080-4929-0117(赤石)
子猫園は家族中心の小さなチームで、皆さまの 応援に支えられています。ご支援をお願いします。ご飯やトイレなどの物資、ご寄付などを 随時受付中です。また、TNR+M のボランティ アメンバーも募集しています。町内会や地区 の問題解決をお考えの方はサポートしますの で、春が来る前にご相談ください。
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