老化を朗らかに 笑って歳を重ねよう4

~あなたの足腰、じつは何歳?~

近頃よく耳にする略語に「ピンコロ」「ロコモ」があります。人気キャラクターや食べ物の名称ではありません。ピンコロは「ピンピンコロリ」の略で、ピンピンと元気に生きて、要介護や寝たきりにならずコロリと亡くなるという意味。ロコモは「ロコモティブシンドローム」の略で、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えて、歩行や立ち上がりなどの移動機能が低下した状態のことです。日本整形学会の調査によると、ロコモ該当者は日本の総人口の3人に1人に相当する約4,590万人と推計されています。ピンピンコロリを理想としていても、ピンピン「ヨロリ」になる方が圧倒的に多いのが現実です。高齢になっても元気に動けるためには、まず今の身体機能を客観的に知ることが大切です。

自分の今の状態を知るロコモチェック

① 片足で靴下を履けない
② 家の中でつまずいたり滑ったりする
③ 階段を上がるのに手すりが必要
④ 掃除機の使用、布団の上げ下ろしが困難
⑤ 1リットルの牛乳パック2個程度の買い物  をして持ち帰るのが困難
⑥ 15分続けて歩くことができない
⑦ 横断歩道を青信号で渡りきれない

出典:日本整形外科学会
ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
https://locomo-joa.jp/

一つでも当てはまるとロコモの心配があります。関節痛などがない方、筋力に自信がある方は開眼片足立ちチェックも試してみてください。なお、転倒防止のため壁や椅子などのそばで行ないましょう。

両手を腰に当て、片足を5センチ程度上げたまま何秒保てるかを測定します。年代別平均値は20代で70秒、30代55秒、40代40秒、50代30秒、60代20秒、70代10秒です。20秒以下になると転倒リスクが高まるとされています。

ロコモの原因は老化だけではなく、筋力を低下させる生活習慣、過度なスポーツも要因となります。また、ケガや骨折をした際に適切な治療をしなかったり、継続したセルフケアをしなかった結果、関節可動域が狭くなったり、筋肉のバランスが崩れるなどロコモ状態になることも。ただし、ロコモは病気ではありません。骨、関節、筋肉の衰えや機能低下を知らせてくれるサインです。早めに気づき、運動や生活習慣を見直せば、いつまでも自分の足で歩き、好きな場所へ出かけられる状態を長く保つことができるのです。

かかる前に防ぐ
整えてから鍛える

いつまでも行きたい場所へ行ける足腰、趣味を継続できる体力を手に入れるために、何をしたら良いのでしょう?そこで今回は、身体機能の回復・維持・向上の専門家である理学療法士にお話を伺いました。


Q. 足腰に痛みがあり、体力も低下しているけれど、身体機能は回復しますか?

痛みの原因がどこにあるかを調べて、バランスが崩れているところを整えて鍛えることで痛みは減ります。何歳になっても定期的に鍛えれば筋量も筋力も向上することは科学的にも証明されています。


Q. 腰痛はあるが毎日ウォーキングをして体力には自信があるので、今のままでいいですか?

年齢とともに、気づかないうちに身体の土台が崩れていきます。毎日犬の散歩をしていて元気という方を測定してみると、筋肉量が少なく、バランス検査でフラフラするという結果でした。これは転倒リスクが高いという意味です。動ける今からこそ、崩れる前に整えるタイミングだと思います。


Q. 若い時にケガをして、その後リハビリを行なって回復したのに、また痛くなるのはなぜ?

関節付近のケガや骨折では、関節の角度が微妙に変わることがあります。すると筋バランスも一気に変わってしまい、痛みが出ることがあります。身体の不調に気づいた時に、忙しいからとそのままにして、年齢を重ねてから取り返しのつかない状態になって病院にかかる方も多いです。


Q. 日常的に腹筋を鍛えているのに、腰痛が緩和しないのはどうしてですか?

慢性腰痛やヘルニア系など、腰痛の原因はさまざまで、エクササイズやストレッチの方法は症状に応じて異なります。例えば反り腰の方が腹直筋ばかり鍛えると、反り腰を助長し、痛みをさらに誘発してしまいます。大切なのは筋力と身体のバランスの両方を整えること。筋肉を鍛えれば健康になるとは限りません。身体が歪んだまま筋力だけをつけると、かえって関節などへの負担を増やしてしまいます。


Q. 片足立ちでふらつくのを改善するには、どのようなトレーニングをしたらいいですか?

筋力不足だけでなく、身体の使い方が偏っている場合もあります。椅子から立ち上がる時に左右どちらかに傾く、靴底の減り方が左右で違うなどの場合は、その可能性が高いです。身体バランスを整えてから鍛えることが重要です。


 

筆者自身も腰痛・首痛があるにもかかわらず、筋トレを始めた30年前と同じくナイスバディづくりのトレーニングを何も考えずに続けていましたが、もはや手に入れたいのはナイスバディではありません。10年後も動き回れる身体を目指し、「今の身体と向き合い、整えて鍛える」を始めようと心に決めました。

(ライター/山崎典子)

取材協力:メディウェルネス富士
富士市日乃出町56-1 1F
TEL:070-9058-8768

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