学び楽しむ、一万歩ウォーキングを体験。 2021.09.08 Post Share お出かけレポート コロナの第5波がやってきて人が集まるイベントが難しくなっているこの夏。一人でも楽しめてしかもよい汗のかけるアクティビティを、数年後に還暦を控える外歩き好きライター・佐野一好がレポートします。 富士市内には歩く健康づくりを推奨するため、史跡や伝説の地などを紹介した『一万歩ウォーキング』コースが多数ある。昭和61年度に最初に設置されたのは伝法地区の『ふる里コース』約7kmだが、今回は『雁堤(かりがねづつみ)』で知られる岩松地区の『治水の歴史コース』約5.6kmへ出かけた。 岩松小学校に隣接する岩松まちづくりセンターを出発し、東へ向かって緑色の通学歩道を進むと、最初の目的地『瑞林寺(ずいりんじ)』の看板を見つけた。少林寺のような、中国色が漂う切妻屋根の山門を仰ぎ見て、茶色い太鼓橋を渡り、境内の竹林にそよぐ風の音をきき、鐘楼の前で汗をぬぐった。スマホを取り出し、瑞林寺の歴史をひもとく。禅宗に属す黄檗宗(おうばくしゅう)のこの寺は、国の重要文化財・木造地蔵菩薩坐像がご本尊だそうだ。水筒の麦茶を飲んで再び東へ歩き、雁堤を完成させた古郡氏の墓参りをした。続いて身延線に沿って柚木駅まで南下した。蒸し暑く、帽子とハンドタオルを持参してよかったとふと思う。ここまでで約2千8百歩。富士自動車学校を右に見て、今度は旧国道1号線を西に向かって歩き出した。 『治水の歴史コース』看板 瑞林寺の山門 途中でサッポロの星を発見 橋下の交差点をすぎてから、黄色い案内看板を探した。すぐ西に土手があり、その土手が雁堤だ。が、コースはもっと南へ下るようだ。旧国1の歩道橋を渡り、迷いながら、ようやく『三重稲荷』を見つける。赤い鳥居が並ぶこじんまりした神社で、帽子を取って疫病退散を祈願した。すると気分がすっきりしたから不思議だ。続いて、富士川鉄橋の下をくぐり、そのたもとにある『水神社』を訪ねた。 地元の人に『すいじんさん』と呼ばれる境内に着くと、人の気配はなく、静かな空気が流れていた。大クスノキのこずえが空に向かって高い日よけとなり、ずっと太陽にあぶられてきた身には周囲の緑がありがたかった。富士川の守り神である水神社の社殿は、雁堤の完成を祝いやはり古郡氏が造営したそうだ。かつてここが渡し場であったことを記す『富士川渡船場跡』の碑があり、そのとなりに富士山詣をしのばせる『富士山道』の道標が並んでいた。 さて、この一万歩ウォーキングもそろそろ終盤だ。水神社から東へ伸びる散歩・ジョギングコースへ進むと、そこはすでに雁堤だった。富士川の水害を防御する堤には、曲がり角に『護所神社』があった。地元の人々に愛されているらしく掃除が行きとどいている。堤を守る人柱として、行きずりの僧侶が土中に埋められた往時をしのぶ碑があった。境内にはセミ時雨が響いていて、しばし旅の僧侶の心情を思って合掌した。春はソメイヨシノ、秋はコスモスが咲き誇る雁堤は富士山のビュースポットとしても有名だ。この日は家族連れが芝生広場でボール遊びをしていた。だれの畑か、赤いカンナの咲きあとがあり、その花を左に見て細坂を下った。歯科医院のある路地を歩き、やがて岩松まちづくりセンターへ帰りついたとき、歩数は1万歩弱。史跡などが学べるこの他の『一万歩ウォーキング』コースも、一年を通して楽しみたい。 赤い鳥居が並ぶ三重稲荷 水神社で見つけた石碑 雁堤の護所神社 (ライター/佐野一好) 一万歩ウォーキング『治水の歴史コース』 1 岩松まちづくりセンター → 2 瑞林寺 → 3 三重稲荷 → 4 水神社 → 5 雁堤 → 1 岩松まちづくりセンター ※『一万歩ウォーキング』の詳細は富士市ホームページほかで調べられます Post Share お出かけ 街歩き コメント: 0 新品種のサクラ発見! Vol. 179|美術家/演奏家 白砂 勝敏 関連記事一覧 お出かけ 近くて遠い!?沼津アルプス紀行 その1 2024.05.08 お出かけ 60代ライターの散歩道【須津川渓谷をのんびり散策】 2022.12.14 お出かけ 60代ライターの散歩道【富士山しらす街道と万葉歌】 2023.01.18 お出かけ 60代ライターの散歩道【天然記念物・柿田川の公園】 2023.04.12 お出かけ お出かけレポート 新・地元を楽しむ お散歩気分の風呂めぐり 2024.11.13 お出かけ 60代ライターの散歩道 【大淵笹場】 2024.07.10 お出かけ 60代ライターの散歩道 【はたご池公園】 2024.09.11 お出かけ 60代ライターの散歩道【信長公の首塚/富士宮市・西山本門寺】 2024.03.13 コメント ( 0 ) トラックバックは利用できません。 この記事へのコメントはありません。
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