不要品で助け合って循環社会『Fujiリユース・エコマーケット』
お出かけレポート
衣替えのたびに、次のシーズンまで取っておくか迷う服がある。フリマアプリで売るほどのものでもないが、処分するのはもったいない……。そんな時に知ったのが『Fujiリユース・エコマーケット』だった。このイベントは子育て用品を中心に、マタニティ用品、大人の衣類、文具、雑貨等を持ち込み、必要な分だけすべて無料で持ち帰ることができる。
イベントは4月25日、ふじさんエコトピアで開催された。これは昨年秋に完成した富士市新環境クリーンセンター内にある、3R(削減・再使用・再資源化)による循環社会の啓発を目指す施設だ。
会場では、新型コロナウイルス感染対策として検温を行ない、30人ずつ各20分の入れ替え制で行なわれた。家から持ってきた服を受付スタッフに渡すと、かわいらしいマスクケースをもらった。子ども服はサイズごとにテーブルに並べられ、その他、帽子や靴、大人服のコーナーやおもちゃ、絵本、チャイルドシートなどもあった。
私は大人服のテーブルへ。古着屋で掘り出し物を探すようなわくわく感と、これが全部無料だなんて信じられない!という興奮した気持ちになった。私はTシャツとブラウスを選んだ。
子ども服を探しに来たお父さんお母さんたちは、大きな袋を持参していた。入場すると、子ども服のテーブルへ一目散に向かい、次々と服を広げ、生地感やタグを確認している。取捨選択はとても早い。子どもと一緒に来ている人は、洋服を子どもに当てながら選んでいる。そして、ひと通り探し終わったところで、大人服のコーナーで自分の洋服を選んでいた。退場時間になるとアナウンスで誘導があり、パンパンに詰め込んだ袋を抱えたお客さんが会場を後にする。
こちらの会場でエコマーケットが開催されるのは初めてのことなのに、なぜこんなに物資と人が集まってくるのか疑問であったが、じつは長年活動している団体が主催していた。
イベントを主催する『HappyはぐHeart』は2013年に、“孤立しないみんなでシェアする子育て・地域福祉”を目指し設立され、子育てを応援する活動から、食・健康に関する講座や、環境の学習会、防災講座など、さまざまな活動を行なってきたそうだ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けイベント等が中止となり、今回のエコマーケットの開催を心待ちにしていた人たちが集まったのだろう。
会場内は多くの人が訪れ大盛況でありながら、受付から会場を後にするまでとてもスムーズだった。
整理番号が配られ、何時に会場に入れるのかタイムテーブルが貼り出されていたり、入場前に待機できる椅子が用意されていたり、スタッフが見守っていてくれる託児スペースが設けてあるなど、「自分が子ども連れで訪れたらこうしてほしい」という親目線の心配りを感じた。
子どもの頃は、姉や従姉妹のおさがりの服や学用品をもらっていた。昔は家族内だけで行なわれていたもののリユースが、多くの人を巻き込んだイベントとして広がれば、多くのお父さんお母さんたちの手助けとなるだろう。そして、役目を終えた子ども用品が家庭の中にたくさん眠っていることも知ることができた。この循環の輪を広げることによって、子育ての応援にもなり、環境にも優しいから、もっと多くの人に知ってもらいたい。今後も定期的に開催される予定。まずは、出産を控えた友人に教えてあげよう。
(ライター/針ヶ谷あす香)
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