ロープを使って木に登る技

樹木医が行く! 第17回

ツリークライミングやロープクライミングという言葉を聞いたことはありますか?これは、ロープを使って木に登るための技術・技法です。最近はこれを仕事に使っている方もかなり増えてきました。仕事とは、たとえば高さ20メートルにもなる樹木の剪定作業や伐採作業、診断調査作業、治療作業などです。富士市内にも資格を取得して仕事をしている方がいます。

さて今回は宮城県仙台市にて、そんなロープを使った木登りの体験会に参加してきました。体験会のはじめはデモンストレーションとして、ベテラン技能者の方々による木登りでした。しかしそれは、すでに木登りという枠を超えたものでした。1本の木にスルスルと登り、樹上で木の上を枝から枝へとどんどん移動していきます。さらに別の木へと空中で移動していき、最後には登った木と別の木から地上へと戻ってきました。「ロープを使った木登り」として私が想像していたものを軽く超えるような凄い技術の連続でした。驚きました!現実は想像をはるかに超えているんですね。

木登りのデモンストレーション

ベテラン技能者による木登りのデモンストレーション
(注:私ではありません)

 

デモンストレーションの後は、ベテラン技能者にサポートしてもらいながらの体験会でした。ロープを使って木登りをするといっても、技法も道具もいろいろあるということで、体験会では3種類の技法について体験することができました。怖かったのですが、なんとか5~6メートルの高さまで登ることができたでしょうか。いい体験をさせてもらいました。最後は木登りに使う器具の展示会でしたが、実際に触ってみると、「たしかにそれぞれ全く違うんだな」と実感することができました。

体験会に参加して、ぜひともこの技術・技法を私の「樹木を診断する、治療する」という仕事に活かしたいと感じました。これを使うことにより、私ができることの幅を大きく広げてくれるだろうと思います。これまではなかなか調べることができなかった高所の診断・治療ができるようになります。そのためにはまず私が講習会に参加して、技術を習得する必要が出てきます。なかなか大変です!

来年度、私が理事長を務めるNPO法人『樹木いきいきプロジェクト』にて、ロープを使った木登り体験会を開催します。ただし、試験的に宮城県で行います。その後、運営面を固めてから静岡県での開催となっていくと思います。ぜひ興味のある方はそちらの情報もチェックしてみてください。

喜多智康プロフィール

喜多 智靖

樹木医
アイキ樹木メンテナンス株式会社 代表取締役
弱った木の診断調査・治療に加え、樹木の予防検診サービス『樹木ドック』を展開中。NPO法人『樹木いきいきプロジェクト』では、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県石巻市での除塩作業や学校における環境教育授業を継続中。
喜多さんのブログ『樹木医!目指して!』
アイキ樹木メンテナンス株式会社
NPO法人『樹木いきいきプロジェクト』 

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