せせらぎの街・三島の「涼」を体験できる朝活!

お出かけレポート

三島は水の都、キャッチフレーズは「街中がせせらぎ」だ。なるほど、「三島 せせらぎ」で検索すると市内循環バス『せせらぎ号』、散歩、音楽祭、お店の名前……数え切れないほどの「せせらぎ」が出現する。この言葉を聞くだけで、清々しく爽やかな気分になるのだが、せせらぎや湧水を体験できる『みしま朝活』なるものがあるとネットで知り、暑さでうだる熱帯夜に、涼を求め思わずポチッと申し込んでしまった。

早朝の水辺を歩いて心も身体もリフレッシュ

朝活というだけあって、集合時間はとにかく早い。最近は早朝のウォーキングが日課になっているため早起き自体はまったく苦にはならないが、さすがに前日はいつもよりも早く床についた。5時40分、集合場所の『みしま未来研究所』に到着。ここは幼稚園だった場所をリノベーションし、人が集いつながり合える出会いの場所として、『NPO法人みしまびと』が運営している。芝生が植えられた大きな園庭の向こうにL字型の建屋があり、たしかにここは幼稚園だったと思わせる風情が残っていて、気持ちは童心に帰りワクワクが止まらない。この日集まったのは初めましての人、常連さん交え20名くらいだろうか。イベントの説明もそこそこに、朝活・朝さんぽへ、さぁいざ!

みしま未来研究所を出発し、目の前の道をすぐに右折。御殿川に沿って住宅街を歩くと通りに出る。この通りの道沿いには御殿川の本流である桜川が、これから向かう白滝公園から三島大社に流れている。桜川では青々としたミシマバイカモが川の流れに身を任せていた。ミシマバイカモは「三島梅花藻」と書き、このあたり固有の水中植物で、5~9月には小さく愛らしい白い花をつけるのが特徴だ。日当たりが良く冷たい清流でしか育たないため、市民の手で大切に守られているそうだ。

桜川の川面に揺れるミシマバイカモとカモ

水と緑豊かな白滝公園

 

からくり人形の『めぐみの子』が印象的な白滝公園の池で、この日最初の湧水を発見。「おおっ!」と思ったのもつかの間、公園内の各所に湧水があり、本当に水が豊かな街なのだと実感させられる。白滝公園を出て、道を挟んだ向かい側にあるのが浅間神社だ。何十年もの間ここはよく通っていたが、楽寿園に隣接するためか神社の存在にはまったく気づかず……お詫びの意も込めて、丁寧に二礼二拍一礼の参拝。ちなみに、伊豆国一之宮は三島大社で二之宮がこの浅間神社、なんと三島市内に五之宮まであるらしい。

水の仕掛けで動く『めぐみの子』

伊豆国二之宮・浅間神社を参拝

 

浅間神社をあとにして『小浜のみち』を歩き、いずみ橋へ。今や三島のシンボルとなった農業用水路、源兵衛川に沿って歩いて蓮馨寺を抜け、旧東海道の三島広小路駅の交差点へ出た。早朝の三島広小路はとても静かで、昼間の賑わいからは想像もつかないほどだ。唯一、うなぎ料理店『桜家』の仕込みの香ばしいにおいと換気扇から出てくる煙だけが、昼間と同じ光景だった。うなぎといえば、7月の土用の丑に食べたうなぎはイマイチだった。物価高騰で安物に手を出してしまったのが原因なのは分かっているのだが……このにおいが忘れられず、数週間後にわざわざ浜松までうなぎを食べに行く羽目になるとは、この時は微塵も思っていなかったのである。

歩道が整備された源兵衛川

三島広小路は早朝の静寂

 

再び源兵衛川沿いをひたすら歩く。途中、案内人が「はい、ここでジャブジャブしたい方、どうぞ!」と参加者に大きな声で呼びかけた。どうやら濡れてもいい履き物で来た人は川に入って歩けるというシステムのようだ。……残念だ、無念だ。それを知っていたら筆者もビーチサンダルで来たのに……。「次こそは!」と気を取り直し再び歩き進む。途中、友人と来たことのあるレストランを見た。その時はテラス席で源兵衛川を眺めながらのランチだったが、今は川側からレストランを見ている。見る側が変わると違った場所に感じる、ちょっと不思議な気分だった。歩き始めて1時間ほどで、湧水を噴水状にしてミシマバイカモを育成しているという『三島梅花藻の里』に到着。そこから田町駅方面へ進み、運が良ければ伊豆箱根鉄道駿豆線の車両の「腹」が見えるという線路を潜り、再会した御殿川に沿って歩くとゴールはもうすぐそこだ。

みしま未来研究所に戻ると時間はちょうど朝ごはんどき。ペコペコのお腹を美味しいカレーで満たしたのち、この日一緒に歩いた皆さんの自己紹介&感想タイムとなった。参加者の多くは三島市内や近隣の市町村からで、神奈川県から来たという強者もいた。

頭をぶつけないようにしゃがんで歩く

辛さも量もちょうどいいキッチンカーのカレー

 

毎月8日の朝活を楽しみに毎回参加している人、三島に移住を考えている未来の住人、ジャブジャブしてスッキリしたい人……参加の理由はさまざまだが、およそ2時間をともにした感想を思い思いに語り、皆さん熱心に聞いていた。「早起きは三文の徳」の言葉どおり、こんな日は一日が健康で良いことがありそうな予感。「これから会社に行きます!きっと今日は仕事がはかどります」。たしかにそうだ、間違いないと、心の中で大きくうなずいた。

(ライター/reiko)

みしま未来研究所
三島市中央町6-2

みしま朝活
アクティビティと朝食をセットで三島の朝を楽しむイベント。毎月8日に開催中。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。