フジサンタカイネ【チェコからようこそ】
富士山をバックに笑顔のマテイカさんご一家。右からご主人のジョゼフさん、長男のジョゼフくん、妻のイボナさん、長女のスーザンさん。次女のルーシーちゃんは終始夢の中
富士山周辺を訪れた外国人に 突撃インタビューしてみました
10月末日、最近流行りの「ルーティン」となりつつあるJR新富士駅前へ。ほどなく見つけた外国人グループの中で、まず目に入ってきたのは、およそ海外旅行中とは思えないほど日常感の漂うベビーカーだった。
マテイカさんご一家は中欧・チェコのボヘミア地方にお住まいで、今回が初来日とのこと。次女のルーシーちゃんはなんと2歳。取材中はずっとお昼寝中だったこともあり、大人になっても富士山の記憶は残っていないかもしれないが、記念にかわいい寝顔の写真を撮らせてもらった。インターネットショッピングの会社を経営するご主人によると、ほぼ毎年、海外への家族旅行を行っていて、今回の日本での滞在は10日間。航空機の乗り換えの都合上、北欧のフィンランドと日本をセットで訪れるという、ちょっと不思議で羨ましい旅行プランだった。新幹線のフリーパスは購入しておらず、基本的には東京近郊をメインに行動して、長距離移動はしない予定という。これまでにスカイツリーや東京タワー、東京ドームシティ、皇居などを訪れたそうで、印象を一言で表現すると、『Amazing!(アメージング)』(ビックリするほど素晴しい!)とのこと。新幹線の速さや快適さ、サービスの細やかさにも驚いたそうだが、インターネット関連の仕事をしていることもあってか、特に日本のテクノロジーやシステムに大きな関心を抱いている様子だった。
また、日本語が分からなくても周りにいる人が親切に助けてくれることを挙げ、以前に東南アジアのベトナムでも味わったというアジア独特のフレンドリーな風土に感動したとのこと。山が好きで、隣国のオーストリアのアルプス山脈などにも訪れているというマテイカさんは、富士山をぜひ一度見てみたかったという。富士山もその言葉を聞いていたのか、幸いにもインタビューの最中に雲が消えて、見事な全容を現してくれた。『ヨーロッパの山々にはあまり見られない、海から山頂まで一気に伸びる稜線が美しいですね。似ているとすれば、カナリア諸島のテイデ山かな』と、さすが山好き!と思わせる博学ぶりをさらりと披露してくれたマテイカさん。後で調べたところ、大西洋上に浮かぶスペイン領カナリア諸島・テネリフェ島にあるテイデ山は、富士山と同じく堆積物が積み重なったコニーデ式火山で、たしかにシルエットもよく似ている。さらに驚きだったのは標高3,718mと、高さまでそっくりだったこと。これはもう、姉妹都市ならぬ「姉妹山」協定を結ぶしかないと、頼まれてもいないのに余計なことまで考えてしまった。
東京に戻る新幹線の便も決めていないというマテイカさんに、この後の予定を聞いてみた。ちょうどこの日は富士山スカイライン経由で新五合目へ向かうバスの今シーズン最後の運行日だったが、もう寒いからということで、スマホで調べた別の場所へ「観光」に行くという。その場所は・・・イオンタウン富士南。
週末の午後、折しもハロウィン当日で賑わうショッピングモールを散策するのも、日本人のリアルな生活感を肌で感じてもらうには最適かもしれない。当施設が全国各地どこにでも存在するということは、あえて伏せておいた。ハッピーハロウィン!inジャパン。
(ライター/飯田耕平)
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