Little Bridge 市野友紀子さんとフレグランス
オーナー・市野友紀子さん
モノものがたり 第1回
「英国の香りに癒されて」
店の扉を開けた瞬間、ふわっと芳醇な香りに包まれ、思わず「いい香り」と言葉が漏れた。プリザーブドフラワーのアレンジメントの販売やレッスンを行なうお店『Little Bridge』オーナーの市野友紀子さんは、10年ほど前からイギリス製・アシュレイ&バーウッド社のフレグランスを公私で使用していた。
「仕事で気分転換したいときや、自宅では洗濯物を部屋干しするときにリネン系の香りと一緒に焚いたり、食事の匂いを消すときなどに使っています。レッスン中に生徒さんとこのフレグランスの話題になったことがきっかけで、お店で取り扱いを始めました。」
店内に並ぶ色とりどりのフレグランスランプは、イギリスの職人が手作りしているもの。ジュエリーのようなきらきらした細工は心ときめくものだ。25種類あるオイルの中でバラの香りを試した。ツンと鼻にくるものではなく、思わず深呼吸したくなる香りだ。
「よくある作りもののようなバラの香りじゃないですよね。イギリスの公園のバラもこのオイルのような香りがするんですよ。女性は特に香りでテンションが上がりますし、疲れているときには癒やされるじゃないですか。最近は新型コロナウイルスによって外出するにも気を遣いますし、小さなことが積み重なって大きなストレスに変わるときがありますよね。そういうときに香りが和ませてくれると思います。自分の気持ちが変われば相手にも優しくなれますよね。」
プリザーブドフラワーとは、生花を加工してできた花のことで、水が不要で長く綺麗な状態を楽しめる。年々暑くなる夏場にも手入れが不要なので、近年では仏壇のお供え用としてのアレンジメントの需要もあるそうだ。私はこれまでアレンジメントは、贈りものという印象が強く、「おめでとう!」という華やかさ全開のものばかりを目にしてきた。市野さんが作るアレンジメントは、可愛らしく、主張しすぎない上品さを感じる。形が美しい花器、光沢のある上質なリボンが使われていて、目に入るたびに嬉しくなる。それは、飾る人のことを一番に考えているからだ。
「香りやお花で気分が変わること、お花をもらって喜ぶことや愛でることが大切だと思います。心にゆとりがないと、目が向かなかったり気が付かなかったりすることがありますよね。少しでも心が豊かになれたらいいですね。」
店内は、珍しいくすんだブルーの壁紙やインテリア、照明の当て方に至るまでイギリス留学されていた市野さんの審美眼によって作られている。プリザーブドフラワーとフレグランスも空間を作るそのひとつ。美しいものに囲まれることは、心を満たすのだと感じた。
(ライター/針ヶ谷あす香)
Little Bridge(リトルブリッジ)
富士市伝法573-2
TEL:0545-67-2550
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