フジサンタカイネ【イヤーエンドパーティー】
中央がアユさん 日本語学校の同級生とにっこり
富士山周辺を訪れた外国人に 突撃インタビューしてみました
当コーナーでは観光に来た外国人にインタビューしてきたが、実は富士市内にも4千人以上の外国人が住んでいる。今回は富士エリアに在住の方のお話を伺うべく、昨年12月13日に開催された富士市国際交流ラウンジFILS(フィス)のイヤーエンドパーティーに行ってきた。
FILSは富士市在住の外国人を対象に公的手続などをサポートする機関で、富士市交流プラザで窓口を開いている。常勤スタッフに加え、曜日ごとに5つの言語を担当するスタッフを配し、各国から富士市へ移住してきた人たちの頼れる存在となっている。そのFILSが主催するこのパーティーは、国籍に関係なく参加できる国際交流会だ。今年度の参加者は150人を超え、有志による民族色豊かな出し物や全員参加のゲームを楽しんだ後、ティータイムで親交を深めた。賑わう会場は友好的なムードで満たされ、ある種の一体感が生まれていたが、ひとくちに外国人といっても母国や来日の理由は実にさまざま。勉強や仕事のため一時的に富士にいる人もいれば、永住するつもりの人もいる。富士を目指してやってきた人も、偶然ここに住むことになった人もいるだろう。いろんな人がいるけれど、いま同じ街に住む仲間であることに差はない。
インドネシアから来たアユさんは富士山日本語学校の生徒だ。日本でツアーガイドになりたくて来日。寮ではなくアパートで同級生とルームシェアをし、家事もこなしている。日本食は味が薄いが口に合うし、インドネシア料理の食材も大抵はスーパーで買えるので困らないという。そんなアユさんだが、ゴミの分別には手を焼いているそうだ。この話題になると周りにいた友人たちも「分別が細かすぎる!」「富士市は特に大変だよ」と口々に話に乗ってきた。しかしゴミ捨てが大変だと言いながらもきゃっきゃと盛り上がる彼女たちは、日本ならではの不自由ささえ楽しんでいるようだった。好奇心旺盛なキラキラした目には、日常生活も楽しいイベントに映るのだろう。
アレックス・ウィルスさんは南米ボリビアの出身だ。仕事のために一家で日本に来た。来日してから日本語の勉強を始めたので、休日は勉強の時間に充てているという。さぞ忙しいことと思うが、娘のタニーシャちゃんとアイコちゃん、奥様のフェリシアさんの笑顔に囲まれて、アレックスさんは充実した表情だった。タニーシャちゃんに好きな日本のものを聞くと、「何よりも富士山が好き!」との返事。アンデス山脈を抱え、6千メートル級の山がたくさんあるボリビアから来ても富士山の美しさは格別なのだとか。絵の授業では富士山を描いたのだそう。「雪の部分にはキラキラとしたラメをたくさんつけたの!」との言葉に、大きな花丸をあげたい気持ちになった。
オーストラリアのマイケル・ネビルさんは富士市に住んで3年になる。仕事で滞在していた中国で、富士市出身の奥様と出会ったのが縁だそうだ。世界各国を知る彼に富士はどうかと聞くと、にっこり笑って「人、海、山、みんな好きです」と親指を立てた。駿河湾も好きだし、伊豆などの観光地に近いのもいい。もちろん富士山も大好きだというマイケルさん。すると横から友人が「彼は富士山の山頂で奥様にプロポーズしたんだよ!」となんとも素敵なエピソードを教えてくれた。残念ながら奥様は不在でプロポーズの感想は聞けなかったが、文字通り日本最高峰の求婚であったことは間違いないだろう。これからも末永くお幸せに。
ベトナムはホーチミン出身のファム・ハン・タイさん。終始ニコニコしながらインタビューに応じてくれた。日本の発展しているイメージに魅かれて日本語を勉強するようになったそうだ。念願かなって2011年に語学留学のため、静岡市にやってきた。卒業してからは富士市内の会社で働いている。大変なことがあっても周りの日本人が応援してくれて、それが励みになるので頑張れるというタイさん。着々とキャリアを積んでいる彼らしい前向きな言葉だ。富士山については「きれいでとても感動した。笠雲や初冠雪も楽しんでいる」とかなりの上級者。日々の移ろいゆく美しさまで感じるとは、すっかり富士市民だ。
(ライター/飯田耕平)
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