チームの中で「位置」を考える
訪問看護ステーション菜桜のスタッフ
産婆の住む街から 第12回
皆さまお久しぶりです。私は「ばぁば」デビューから2回目のお正月になりました。仕事柄、人ごみに出かけるのも憚られて、クリスマスもインターネットでサンタさん。ちょっとだけ、物足りない日々を過ごしています。
2022年の世相を表す漢字第1位は「戦」だったそうです。この漢字を見た時に私は、歓喜に沸いたサッカーワールドカップの「戦い」ではなく、長引く新型コロナ感染症との戦いや毎日テレビで流れてくるロシアによるウクライナ侵攻の戦地の様子を思い浮かべて、気持ちがどんよりしてしまいました。また「最近、会社の人間関係がギスギスしている」とか「部下が文句ばかり言っていて気持ちが沈む」という声を聞くこともちらほら。どんより気分は日常生活にも影響しているのかもしれませんが、どんよりのせいで大切な職場の仲間はもちろん自分自身の人生の約1/3の時間を過ごす職場の環境を汚してはいけないですね。
先日、ある勉強会で「位置ずれ」という言葉を学ぶ機会がありました。ここでの「位置」とは、会社や学校など組織の中でどのような立場にあるのかという上下関係のことだけではなくて、どんな意識でその組織や団体に属しているか、ということも含まれるのだそうです。立場を示す位置とは、監督なのか、キャプテンなのか、ディフェンスかフォワードか、チームを勝利に導くためにひとりひとりに与えられた役割のことです。「2019ユーキャン新語・流行語大賞」でワンチームという言葉が年間大賞に選ばれました。全員で同じ目標に向かい一つになろう。誰もが賛同するのではないかと思います。しかし、司令塔でありながらチームを導く指示を出さずに現場で走り回ってはチームが迷子になってしまいますし(現場が大好きな私は大反省)、ヒーロードラマを中途半端に真似して、上司の指示を無視して現場が各々好き勝手な方向に走ってしまえば効果はあがりません。
もう一つは、どういう意識でその組織や団体に所属しているのかという位置。例えば、「うちの会社って、こういうところがダメだよね」とか「あれができていない、これがなってない」と、まるで外部の人のような意識で評論家になってしまっている人っていますよね。自分自身も会社の一員であるのにもかかわらず他人事と錯覚している。上手くいっていない原因は、自分の責任ではないと逃げることができるので楽なのですが、自分事としてどうにか問題解決しようとしている周囲の人たちはたまったものではありません。私も、自分の会社だけではなく、いろいろな団体や検討会のメンバーとして活動させていただいている中で、位置ずれ人間ではない、仲間とともに前向きに問題解決ができるクリーンな環境をつくれる人にならなくてはと、背筋を正される思いでした。
国際協力NGOジョイセフが取り組み、私も関わっている『ホワイトリボンラン』のエントリーが始まりました。3月8日の国際女性デーに向けて、世界の女性のためにみんなで走るチャリティイベントです。今年は、ガーナの女の子の命と健康を守るために役立てられます。エントリー(25歳以上4,800円、中学生〜24歳3,000円、小学生以下2,000円)するともらえるアンダーアーマ―のTシャツを着て、女性の健康と権利を願いながら歩いたり走ったり、ぜひ一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
堀田 久美
菜桜助産所代表 助産師・保健学博士
ほった くみ/富士市宮島で助産所を営み、出産・産後ケア・育児相談から、更年期 以降の女性の健康管理まで、出産を経験する女性の一生をサポート する「ママたちのお母さん」。母親のための各種教室も随時開催中。
菜桜助産所
訪問看護ステーション菜桜
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