老化を朗らかに 笑って歳を重ねよう2
セルフメディケーション 骨粗しょう症体験記
「10年後の私は歩いていられるのかな?」ある日、テレビのCMから流れてきた言葉にドキッとさせられました。10年後は今より何十倍もシミ、しわ、白髪が増えるからと美容対策ばかりに注力していたのですが、それ以前に、果たして今と同じように歩いていられるのだろうか?
というのも、私は5年前に『骨粗しょう症』と診断され、放っておくとちょっとした衝撃でも骨折しやすくなり、10年後には骨のもろさが原因で自分の足で歩けなくなる可能性が高まると医師に言われていたからです。
骨の情報収集に没頭してたどり着いた答えは
自分の骨密度の現状を知ったのは、興味本位で受けた骨密度検査がきっかけでした。20代から筋トレ、ジョギングを継続的に行ない、富士山登頂5回という誇らしい経歴もあるので、骨は太くて強いはずと自信を持って臨んだ検査。2週間後に届いた結果は「あなたの骨密度はかなり低い状態です。医師の治療を受けてください」でした。
「他人の数値と取り違えたのでは?」と、今となっては医療機関に対して非礼極まりない感情を持ち、近隣の病院に再検査を受けに行きました。検査後、診察室に入ると「よくぞ再検査に来てくれました」と担当医師。私の骨密度は同年齢の平均骨密度の76%、若年成人の65%、検査結果表においてはレッドゾーンに入っていたのです。
骨粗しょう症は、骨密度 (骨量)や骨質が低下して骨折しやすくなり、歩行障害や立位困難になるリスクが高まる疾患です。全国で約1,590万人(男性410万人・女性1,180万人)いるとされ、女性では60代で5人に1人、70代で3人に1人、80代では2人に1人が骨粗しょう症になると推定されています(2024年・骨粗鬆症財団 統計調査)。
体の土台となる骨は、古い骨を壊す『破骨細胞』と新しい骨を作る『骨芽細胞』がバランスを取りながら、常に新陳代謝を繰り返して新しい骨に作り替えていますが、加齢、生活習慣、閉経などが原因でバランスが崩れると骨の強度が低下します。骨粗しょう症が女性に多いのは、破骨細胞の働きを抑える作用がある女性ホルモン・エストロゲンの分泌が閉経後に減少するため、形成する働きより壊す働きが過剰となり、骨がもろくなるからです。
レッドゾーン入りするほど骨密度が低下していた私には注射治療が施され、そのまま3年間続けました。ところがある時、体内に注入している薬剤の成分や効果、副作用の有無などを認識していないことに気付いたのです(医師から説明はあったはずですが、当時あまりにもショックで記憶にありません)。YouTubeやウェブサイトで調べてみると、骨を壊す細胞の働きを強力に抑えて骨密度の低下を防ぐ成分であるとわかりました。ただ、骨粗しょう症の治療法について調べてみると、骨折の既往がない50~60代に適した治療など、年齢やライフスタイルに応じたさまざまな選択肢があることも知りました。そこで3年間続けた注射治療を中断し、自分に適した治療を求めてセカンドオピニオンを受けることにしました。
検査結果は変わらず低い数値のままでしたが、セカンドオピニオンを受けるに及んだ理由を説明すると、「よく調べましたね」と医師。そして治療薬の種類、それぞれの薬効、副作用の詳細をご教示いただいたのですが、副作用、治療にかかる費用、通院頻度などを絡めると、どの治療法が自分に最適なのかわからなくなってしまったのです。「熟考して近日中に必ず再来院します」と医師に伝え帰宅。ところが、数日後に23歳の飼い猫が寝たきりの介護状態になってしまい、自分のことなど後回しで猫ファーストの日々を送ることに。
猫を天国へと見送り、改めて骨粗しょう症と向き合う気力が出てきたのは、セカンドオピニオンから半年後のことでした。再来院を約束しておきながら、あまりにも時間が経ち、バツが悪くなってしまったという勝手な理由でサードオピニオンへ。骨密度は変わらず低いままでしたが、サードオピニオンでは医師の提案と自分の持ち得る知識の中で最適と考えた治療薬が一致し、体への負担や費用負担も少ない服薬治療に切り替えることになりました。
骨粗しょう症が原因で将来寝たきりになることは避けたい一心で情報収集に没頭し、情報過多に翻弄され、取捨選択に疲弊してたどり着いた治療法。長い道のりでしたが、自分の健康と向き合うセルフメディケーション(自分の健康に責任を持ち、軽度な体調不良について自ら判断し、適切に対処すること)は貴重な経験になりました。
セルフメディケーションを家族や友人に勧め伝えたくなり、約6年に至るエピソードを話すと、みんなから口を揃えて言われたのは「そもそもあなたは昔から偏食すぎる。薬に頼る前に食事を改善しなよ」でした。はい、おっしゃる通りです。医療の力を借り、食生活を見直し、テレビCMのカルシウム食品も注文して、骨と向き合う日々。次回の骨粗しょう症検査の結果やいかに……。
(ライター/山崎典子)
次回は「脱毛の新常識 介護脱毛」の予定です
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