60代ライターの散歩道【静岡県富士水泳場と公園】

静岡県富士水泳場

プール内観(施設提供)

お出かけレポート

真夏でも屋内プールなら日焼けせずに運動できるだろうと考え、富士市大淵の富士総合運動公園に隣接する静岡県富士水泳場へ車で向かった。

屋内プールで泳ぎ、散歩して、健康的に過ごそう!

富士市から富士宮市へと続くバイパス(西富士道路)を広見・大淵ICで下りて目的地を目指した。富士総合運動公園内にある銀色のドーム型建物が静岡県富士水泳場だ。この競技施設は日本水泳連盟公認で、銀色のドームは富士山の清水から生まれたしずくがイメージだそうだ。国内屈指のきれいな水が自慢だと、静岡県公式のホームページに書いてある。

入口付近にゴツゴツした岩が無数にディスプレイされていた。すべて富士山の溶岩だろうか。利用時間は10時から21時。大会・合宿中は利用できない場合もあり、同水泳場ウェブサイトなどで確認してから出かけたい。一般料金は19時までは510円、19時からは300円。先着順で成人や子ども向け水泳教室があるが、プールのほかトレーニングルームもあり、事前申し込みなしでエアロビクスやヨガに参加できる(有料/料金は2023年8月現在)。

静岡県富士水泳場

人目を引く銀色のドーム

静岡県富士水泳場

無数の溶岩ディスプレイ

 

太り気味のため定期的に泳ぎたいな、と思いながら、更衣室で水着に着替えた。帽子とゴーグルを持ち、シャワーを浴び、ラジオ体操のようなストレッチをしてから入水した。温水プールとはいえ、最初は水がひゃっこく感じた。

久しぶりのプールのため、まずはサブプール(飛び込みプール)にぷかぷか浮いて体をほぐした。浮きながら見上げれば、天井までが高く、解放感抜群だ。体が水に慣れた後は、みんなに交じって水中ウォーキングをするため、50メートルプールへ移動した。こちらはさすがに競技用だけあって、10コースもある。10往復を目標にして、専用レーンを歩いた。水中で両手を振って、太ももをあげ、水の抵抗を感じながら歩く。浮遊感があり、陸上よりもラクだ。温水のジャグジーがあると知り、移動した。半身浴のままジェット噴射を腰に当てていると、コリがほぐれて気持ちがいい。半目でウトウトして、気分はほぼ温泉だ。

ジャグジーを出た後はクロールで200メートル、平泳ぎで100メートル泳いだ。腰やヒザへの負担が少ないことから、水泳も水中ウォーキングもリハビリの筆頭だと聞いたことがある。泳いだ後は肌がサラッと乾いた感じがして気分爽快だった。プールを出てからしばらく、ロビーでスポーツ雑誌を読んだ。その後、テニスコートや競技場などがある広々とした公園の一部を散歩した。このところ早朝以外はエアコンに当たり通しの毎日が多いから、少し汗ばむくらいの歩行が体にはいいはずだ。夏に汗をかかずにいると自律神経がおかしくなるそうだ。水筒を持参したのでベンチの木陰で一息。空腹感が心地よい。

富士総合運動公園

公園内に整備された散歩道

富士総合運動公園の古墳広場

芝地の古墳広場もある

 

村上春樹氏の短編小説に『プールサイド』がある。人生の折り返し地点は35歳だと書かれていた。その小説を読んだ当時は感化され、よく泳ぎに行った。特に仕事帰りの夜のプールが好きだった。振り返れば35歳ははるか昔だが、たしかに当時、その先の人生について少し悩んでいた。だからプールで泳いだ。泳いでいる時はまるで座禅をしているかのように、内面を見つめられた記憶がある。

すでに還暦を過ぎた。次の折り返し地点はどこだろう。健康ならば、難所も負けずに泳ぎ切れるだろうか。いずれ季節は過ぎ、夏はまた来る。毎年の暑さを楽しめるよう、これからも散歩に出て、足腰を鍛えよう。思った以上にプールや公園で体を動かす人々が多くて、みんな健康に気をつかっているんだなあ、と感じた。

(ライター/佐野一好)

静岡県富士水泳場

富士市大淵266
TEL:0545-35-6022

https://fuji-pool.jp/

地図

富士水泳場地図

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