フジサンタカイネ【インドネシアからようこそ】

富士山周辺を訪れた外国人に 突撃インタビューしてみました

富士市が世界に誇る富士山観光スポットの一つとして近年注目を集めている『富士山夢の大橋』。市街を南北に走る国道139号と国道1号バイパスを接続する目的で、潤井川を跨いで設置された橋だ。開通は2016年。当企画でもいつか取材してみようと思ってはいたものの、開通後しばらくは駐車スペースも案内版もなく、車道への侵入など危険な行為に及ぶ人も散見されていたため、観光地として紹介するのは控えていた。

しかしコロナ禍以降はSNSを通じて『富士山へ登る(ように見える)階段』が広く知られるようになり、この橋を取り巻く環境も一変した。撮影スポットに隣接した高架下には17台分の無料駐車場が整備され、混雑時には警備スタッフを配置。行政主導のもと安全面での管理は向上している。

冬晴れの富士山が姿を見せた某日、富士山夢の大橋を訪れると、その活況ぶりに驚いた。駐車場は大半が「わ」ナンバー、つまりレンタカーでほぼ満車。お目当ての歩行者用階段には常時30〜50人ほどの観光客が行列で順番待ちをしていて、そのほとんどが外国人。とりわけアジア系の若者が圧倒的に多いように見えた。InstagramやTikTokで全世界へと情報が発信・拡散されるこのご時世、地元の人は気にも留めないスポットがバズることも珍しくはない。アニメ映画の聖地となった踏切や、富士山が載っているように見えるコンビニなどと同様、多くの若者が「ここで動画を撮ってSNSに投稿したい!」と考えるようだ。

駐車・駐輪スペースには簡易トイレも

住宅地の側道に外国人観光客の大行列

 

見かけた外国人観光客を捕まえて(表現が下品)あれこれ聞きだす当企画ではこれまで、取材を始めてもなかなか外国人に出会えないことがあったが、この場所に限ってはもはや「入れ食い」状態である(表現が下品)。なにせ撮影待ちの列に並んでいるのはほぼ全員外国人なのだ。そんな中で今回快くインタビューに応じてくれたのは、20代の女性4人組。その装いからイスラム圏の出身であることは予想できたが、話しかけてみると皆さん少し日本語が話せるようで、しかも「横浜から富士駅まで電車で来ました」という意外な回答が返ってきた。

リリンさん、 ヌルカフィファさん、フィトラさん、ロシタさんはインドネシア出身。4人ともそれぞれ母国の学校で介護を学び、7ヵ月前に来日して横浜市の同じ介護施設で働いているという。多くの業界が人手不足で、いわゆるエッセンシャルワーカーの仕事を外国人人材に頼っている現状を報道でもよく目にするが、彼女たちはまさにその最前線で我々の生活を支えてくれている存在だった。この日はたまたま仕事が休みで、朝から天気が良かったので富士山を見に来たのだという。

この場所を選んだ理由は、やはりTikTok。流れてきた動画を見て「行ってみたいね」という話になり、Googleマップで調べながらたどり着いたそうだ。昭和世代にしてみれば、入念な事前調査のもとガイドブックと時刻表に電車の切符を挟んで旅した日々が懐かしいものだが、この情報感度とフットワークの良さで世界中の若者が富士山麓を訪れてくれるのは大歓迎だ。「インドネシアと違って日本の冬はとても寒いです。でも私たちは日本の自然や文化が好きで、この前は長野県に行ってきました。いつか京都にも行ってみたいです」と、4人はゆっくりとした日本語で話してくれた。

思い出づくりのお手伝いで4人を撮影

これだけ多くの外国人観光客が富士山を背景に、跳んで踊って笑顔で動画を撮っている。そしてそんな若者たちの元気な姿を、富士市民のおじさんが目を細めて嬉しそうに眺めている。それはさておき、国際情勢は西も東も不透明で厳しさを増すばかりの昨今だが、若者が自由に安全に、海外の自然や文化を楽しめることは相互理解と調和の礎だ。この和やかな風景が、富士山の麓でいつまでも続きますように。

(ライター/飯田耕平)

(富士市交流観光課)

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